ECサイトを運営するときに多くの方が重視するのがサイトデザインではないでしょうか?shopify(ショッピファイ)では、オンラインサイトを構築する際にデザインを既存のテンプレートから手軽に選択することができ、このテンプレートのことをテーマといいます。
テーマは、人の興味を惹く洗練されたデザインであることや、企業や商品イメージとリンクしたものであることが大切ですが、それだけではありません。必要な情報を盛り込みやすい内容であるかどうかや、操作性の高さなどを吟味することも必要です。
ここではテーマ選定のヒントとともに、数あるshopifyのテーマからおすすめをピックアップして内容をご紹介していきます。
shopifyのテーマとはどのようなもの?
shopifyにおけるテーマとは、そのオンラインストアの雰囲気を決めるものです。テーマによってレイアウトが異なり、企業や商品のイメージがガラッと変わるので、shopifyのテーマはいわばサイトの「顔」ともいえるでしょう。各テーマにはスタイルがあり、同じテーマでもスタイルによってさらに見え方が異なるので、細かい差別化が可能です。
shopifyのテーマには、shopify公式の無料のテーマとshopify公式または外部サービスによる有料のテーマがあり、その種類は公式、非公式を合わせるとなんと1,000以上!公式のものは「shopifyテーマストア」から購入することができます。
無料テーマ有料テーマともに、シンプルなサイト作成であればプログラミングの知識などがなくても、画像やテキストを挿入していくことでカスタマイズして自作できることが魅力。もちろん、HTML・CSSの知識があればコードから編集していくことも可能ですよ。
ここからは、無料テーマ・有料テーマの特徴をそれぞれ詳しく解説していきましょう。
無料テーマの特徴
無料テーマは基本的な機能を網羅していて、初めてshopifyを利用するケースやストアを手軽にオープンさせたいケースでおすすめです。
<メリット>
- 低コストでオンライトサイトを作ることができる
- スモールスタートができる
<デメリット>
- SEO対策は弱い
- 拡張性が低い
無料テーマは設定項目がシンプル。比較的操作も簡単なので、シンプルなオンラインサイトであれば短時間で作り上げることができます。低コストでサイトを作れることも魅力でしょう。
その反面、SEO対策は自身で行わなければならない、拡張性が低い、といった側面があります。表示サイトの上位を狙う場合や、より高い機能&デザイン性を求めるケースでは有料テーマを検討しても良いでしょう。
はじめは無料テーマでサイトを構築して、慣れたら有料テーマに切り替えるといったことも可能です。
有料テーマの特徴
企業やブランドイメージ、商品に合わせてデザインや機能にこだわりたい場合は、有料テーマを選ぶとより満足度の高いオンラインサイトを作ることができます。
<メリット>
- デザイン性や機能性が高い
- カスタマイズの幅が広い
- SEO対策ができる
<デメリット>
- 有料である
- 非公式のテーマはサポートが期待できない場合もある
- 日本語に対応していない場合がある
有料テーマは、無料テーマよりも選べるデザインの種類が豊富で、機能が充実していることが特徴です。さらに自動でSEO対策をしてくれる、カスタマイズ性が高いといった魅力もあります。一方、公式有料テーマを選べばサポート体制がしっかりしていますが、非公式有料テーマの場合はサポートがあまり期待できないことはチェックしておきたいポイントです。購入費用も発生し、公式有料テーマで2万円前後、非公式有料テーマで数千円かかります。日本語対応していないテーマもあるので、事前に確認しておくことが大切です。
テーマを選ぶ際のポイントは?設定方法は?
「数あるshopifyテーマからどうやって適したものを選択したいいの?」、「具体的な設定方法を知りたい…」そんな方のために、テーマの選び方やポイント、設定方法をまとめました。
テーマの選び方や選ぶ際のポイント
shopifyのテーマ選定は、オンラインサイトの顔となる重要な部分の決断です。選ぶにあたっては、以下のポイントを確認しましょう。
<テーマ選定ポイント>
- 企業やブランド、商品のコンセプトに合っているかどうか
- 必要な機能があるかどうか
- 細部まで見やすいかどうか
まずは、お店のコンセプトを明確にすることが大切です。販売したい商品は何か、何品目あるのか、アピールしたいのはどのようなことかを洗い出し、それに適したレイアウトのテーマを探しましょう。その際は、必要な機能を網羅しているか確認することもポイントです。
デザインとともに、「PCサイトだけでなくモバイル端末にも対応したい」、「スライドショーを組み込みたい」、などニーズに合った機能が含まれているテーマを選び、魅力的なサイトにしていきましょう。トップ画面のみでなく、購入画面や決済画面の見やすさをチェックしておくことも大切です。
企業やブランド、商品のコンセプトを明確にして、アピールしたいポイントを事前に考えておくことで、必要なテーマのイメージがおのずと固まってきます。
厳選した商品をじっくりと紹介したいならビジュアルにこだわったテーマや動画の埋め込みができるテーマを選ぶ、数多くの商品を分かりやすく紹介したいならシンプルなレイアウトのテーマやフィルタリング機能が充実しているテーマを選ぶなど、選択肢を絞っていきましょう。
サイトの使い勝手や完成像もあらかじめイメージしておくことで、雰囲気に合ったテーマをスムーズに選ぶことができます。
shopifyテーマストアでは業界ごとやスタイルごとにおすすめのテーマが紹介されているので、参考にするのもおすすめです。
テーマの選択・設定方法
ここからは、公式テーマを例に、実際の画面でのテーマ選択・設定方法を解説していきます。
<テーマ選択・設定までの流れ>
- shopifyへ登録
- 言語変換
- テーマ選択
テーマを選択する前にまず必要なことはshopifyへの登録です。shopifyの公式サイト(https://www.shopify.jp/)を開き、メールアドレスを入力、簡単なアンケートに回答すると登録できます。shopifyにはベーシック(月額29ドル)、スタンダード(月額79ドル)、プレミアム(月額239ドル)の3種類のコースがありますが、初回登録から14日間は無料で体験利用が可能です。
shopifyはカナダの企業なので、デフォルト言語が英語となっています。英語のままでは操作しにくいので、shopify登録後はまず言語を日本語へ切り替えることがおすすめです。管理画面の右上にあるアイコンをクリックして「Your account」>「General」>「Preferred language」を選択して、language欄で日本語を選択すると、言語を変更できます。
登録と言語設定の日本語化が完了したら、いよいよテーマの選択です。
管理画面左側にあるリストから「オンラインストア」>「テーマ」を選択すると、「無料のテーマ」と「shopifyテーマストア」の表示が出るので、選んでクリックしましょう。
「shopifyテーマストア」を開くと有料テーマの購入ができます。テーマのデザインや価格が一覧のように表示されるので、ニーズに合うものを選びましょう。
テーマを選択して「デモストアを表示する」をクリックすると、デザインのイメージや動作を確認することができますよ。テーマを決定したら、テーマの画面右上にある「開始する」ボタンをクリックしてダウンロードしましょう。
テーマを選んでカスタマイズしたいときの方法
次は、実際にテーマを決定した後にカスタマイズする方法をご紹介していきます。
<カスタマイズの流れ>
- テーマを選択
- 見出しや画像をカスタマイズ
- 商品登録
- ページの作成
- 決済方法設定
- 運用開始
shopifyテーマストアからテーマを選択し、テーマの画面右上にある「開始する」ボタンをクリックしてダウンロードすると、shopifyサイト管理画面上でカスタマイズしていくことが可能となります。テーマをカスタマイズするには、管理画面で「オンラインストア」>「テーマ」を選択して、決定したテーマ名の横にある「カスタマイズ」ボタンをクリックしてください。
ここからはページのカスタマイズです。
まずは画面の左側の「セクション」というパートを編集して、TOP画面やテキストを入力していきます。セクションができたら商品登録です。shopifyサイトで「商品管理」>「商品を追加する」をクリックし、商品名や商品画像、商品・配送に関する情報などを入力していきます。入力後は忘れずに保存してください。「商品管理」画面からおすすめの商品や新作をまとめたコレクションの作成もできます。
続いて、shopifyサイト管理画面の「販売チャネル」>「ページ」>「ページを追加」から運営会社概要ページやお問い合わせページといった、オリジナルページやメニューを作成していきましょう。「特定商取引法に基づく表記」のページも忘れずに準備します。
ここまでできたら、次は決済方法の設定です。
shopifyサイト管理画面の「設定」>「決済」で決済方法を入力し、「設定」>「配送と配達」で配送の設定をしていきます。これでカスタマイズは完了。実際に運用できるようになります。
テーマの設定はシンプルなサイトであれば比較的簡単にできますが、適宜カスタマイズを加えて利便性をアップさせたい、よりデザインやレイアウトにこだわりたい、といった場合はプロに依頼するのもひとつの手段です。
理想のショップイメージによって最適なテーマは異なるので、企業やブランドイメージに適したこだわりのサイトを作成したいときは、テーマの選定も含めて専門知識を持ったプロに相談してみるのも良いでしょう。
shopifyの無料テーマをチェック
shopifyにはさまざまなテーマがありますが、手軽に初めてみたい場合はまずは公式の無料テーマを試してみるのがおすすめです。2021年9月現在、10種類の公式無料テーマがあり、スタイルは25種類にもなります。公式無料テーマはパソコンにもモバイル端末にも対応していて、「オンラインストア2.0」のアップデートにより、従来と比較してカスタマイズ性がアップしているテーマもあるのが特徴です。
ではさっそく、無料テーマの中からおすすめを5つピックアップしてご紹介していきましょう!
Dawn
まずは、2021年に登場した無料テーマ「Dawn」をご紹介します。
<おすすめのシーン>
- アパレル、アクセサリー、雑貨などの販売
Dawnは設定の手順が最小限で、ドラッグ&ドロップでカスタムページを作ることが可能。特別なコーディングの知識がなくても大丈夫なのが嬉しいポイントです。
美しさにこだわって作られているテーマなので、アパレルやアクセサリー、雑貨などを扱うお店に向いています。とにかくすぐにオンラインサイトを構築したい、でもビジュアルにもこだわりたい、といった人におすすめです!
価格などで絞り込みができる機能があることや、既存のテーマよりも読み込みスピードが速いといった特徴もあります。スタイルには「Default」、「Craft」の2種類がありますよ。
Boundless
「Boundless」は大きな画像で目を惹くページを作成できるのが特徴です。動画を駆使したページも作成できます。
<おすすめのシーン>
- アパレル、インテリア、自転車などの販売
ブランドイメージを視覚的にアピールしたい、商品を大きく表示したい、商品の全体像を掲載したいといったケースで活躍します。スライドショーにフェードエフェクトがあるため、複数商品の画像をホームで表示することも可能です。また、YouTubeなどの動画を組み込むことができるのも魅力。自転車など、比較的大きな商品でも全体像を掲載することができますよ。
スタイルには「Black&white」、「Vibrant」の2種類があります。
Narrative
「Narrative」は高級感のあるサイトに仕上がるテーマです。商品数が少ないケースに向いています。
<おすすめのシーン>
- 家電、アクセサリー、雑貨、ベビー用品などの販売
Narrativeでは、商品やブランドのストーリーを動画や画像を駆使して伝えることができるので視認性が高く、ひとつひとつの価値をじっくりと伝えたい、世界観を大切にしたい、といったケースにおすすめです。
1点ものの雑貨を紹介したい、商品のこだわりポイントや機能を丁寧に紹介したい、商品の活用シーンのイメージを載せたいなど、商品数が少ないケースで活躍します。
スタイルには「Earthy」、「Warm」、「Light」、「Cold」の4種類があり、イメージに合わせて選択可能です。
Supply
「Supply」は、多くの商品を効率良く紹介するのにおすすめのテーマです。
<おすすめのシーン>
- アパレル、アクセサリー、雑貨などの販売
大量の商品を分かりやすくレイアウトすることができ、複数のアイテムの中から売りたい商品をピックアップできる「コレクション表示機能」もあるので、アパレルなどの販売で利便性を発揮するテーマとなっています。
オプションでフィルタリング設定すれば、顧客側で価格やブランドをフィルタリングすることも可能です。スタイルには「Blue」、「Light」の2種類があります。
Brooklyn
「Brooklyn」は、今風のモダンなデザインを求めるケースにおすすめのテーマです。
<おすすめのシーン>
- アパレル、アクセサリー、雑貨、お菓子などの販売
ホームページの上部に複数の画像をスライドショーで設定することが可能です。商品のレイアウトは商品数に合わせて自動的に変化する、購入ボタンを押すとカートが画面右側に表れるスライド式カートで顧客が商品ページを離れることなく買いものができるなど、使い勝手が良いデザインとなっています。アパレルアイテムの他、お菓子など食品の販売にもおすすめのテーマで、スタイルは「Classic」、「Playful」の2種類です。
shopifyの有料テーマをチェック
「無料テーマではもの足りない」、「より機能やデザインにこだわりたい」といった場合は、有料テーマの活用がおすすめです。2021年9月現在、公式有料テーマは約70種類あり、非公式有料テーマとあわせると選択肢は1,000にものぼります。今回は、公式有料テーマの中からおすすめを5つピックアップしてご紹介していきましょう!
Label
まずピックアップする公式有料テーマは、スタイリッシュなデザインが特徴の「Label」です。
<おすすめのシーン>
- アクセサリー、雑貨、デザイナーズブランドなどの販売
- クリエイター向け
<価格>
160ドル
Labelはパソコン画面でもモバイル端末でも画像がカッコイイ、第一印象にインパクトがあるテーマとなっています。SNSとの連携ができる点が魅力で、インスタやSNSページとECサイトを連携させたいお店におすすめです。
主力アイテムを全幅表示できるので、デザイナーズブランドやこだわり雑貨など、厳選した商品を販売したいケースや、商品数が少ないケースで活躍します。スタイルには「Record」、「Publish」、「Create」の3種類がありますよ。
Sunrise
続いてご紹介するのは、ポップなデザインの「Sunrise」です。
<おすすめのシーン>
- おもちゃ、ペット向け雑貨、スポーツ用品などの販売
<価格>
240ドル
Sunriseはクールなテーマが多いshopifyテーマの中で、目を惹く明るいポップなデザインが魅力。画面に多数の商品画像を掲載することができるので、1画面で商品を比較検討でき、購入者に長くサイトに滞在してもらうことができます。
おもちゃやペット用品の販売、商品数が多いケースで特におすすめのテーマです。スタイルには「Spring」、「Beach Hut」、「Uplift」、「Digitale」の4種類があり、Beach HutやDigitaleはファッション雑貨やアクセサリーなどの販売にも向いています。
Editorial
「Editorial」はブログ形式で商品を紹介できるテーマです。
<おすすめのシーン>
- 出版物、絵画、クラフト、化粧品などの販売
<価格>
160ドル
Editorialは画像を全面に出したテーマとは異なり、ブランドストーリーや商品説明を優先したいケースで活躍するテーマ。ストア内ではブログと動画を最大5つまでアップすることができ、ブランドや商品のストーリーを丁寧に伝えることが可能です。
商品だけでなく、野外アクテビティやガイド案内など“体験”を訴求する企業のサイト構築に使用されている事例もありますよ。スタイルは、「Agency」、「Amour」、「Adventure」3種類のからお店にマッチするものを選べます。
Foodie
「Foodie 」は、ページをセクション分けできるおしゃれなテーマです。
<おすすめのシーン>
- 食品や飲料、事務機器など
<価格>
250ドル
Foodieは食品や飲料の販売におすすめのテーマ。大量の種類の商品を販売するというよりは、厳選したアイテムを販売したいシーン向きです。
ホーム画面の画像がパソコンやタブレット、スマートフォンなどに合わせてスケーリングされるので、どのデバイスで見ても美しいトップ画面になる点がこのテーマの魅力といえます。また、ページ内をセクション分けすることでより見やすいサイトに仕上げることが可能です。スタイルは「Grind」、「Slice」、「Grow」の3種類がありますよ。
Icon
「Icon」はカスタマイズしやすい点が特徴のテーマです。
<おすすめのシーン>
- アパレル、アクセサリー、化粧品、アート作品などの販売
<価格>
240ドル
Iconは、ドラッグアンドドロップで手軽にカスタムができるのが魅力のテーマです。スライドショー機能、商品詳細のクイックビュー機能などで大量の商品を紹介できるので、アパレル、ファッションアイテムはもちろん、雑貨や化粧品、アート作品などさまざまな販売シーンで応用できますよ。スタイルは「Dolce」、「Christian」、「Yves」、「Vera」の4種類です。
テーマの選定は重要!迷ったらプロに相談もあり
shopifyのテーマは、サイトのイメージや雰囲気を決める大切なものです。テーマは無料から有料まで1,000種類ほどありますが、カスタマイズしやすいテーマを選べば、比較的簡単にサイト構築ができます。しかし、テーマは直感だけで決めるのではなく、企業やブランド、商品コンセプトと合うかどうか、足りない機能がないかなどを十分に確認してから選ぶことが大切です。適したテーマを選べば、サイトの利便性や集客性のアップにもつながりますよ。
でも、自分だけでは選びきれないという人もいますよね。テーマ選定や設定に迷ったら、プロに相談してみるのもおすすめです。SEO対策、カスタマイズも含めてフォローが期待できます。せっかくshopifyを始めるなら、とことんテーマにこだわってみてはいかがでしょうか。